転職で入社開始日を調整した結果、無職期間が発生することになりました。
どのような手続きをすればよいでしょうか?
転職に伴う無職期間は新しいキャリアのスタートに向けての一歩ですが、その期間に必要な手続きがあります。
転職時の無職期間が発生した場合の手続きについて説明します。
転職で無職期間がある場合の手続き
転職は新たな挑戦と成長の機会をもたらす一方で、無職期間が発生すると手続きが必要となります。
無事に新しいキャリアにスムーズに移行するためには必要な手続きを実施しましょう。
転職で無職期間がある場合に必要な手続きは以下の通りです。
それぞれの手続きについて以降で説明いたします。
転職で無職期間がある場合に、必要な手続きがあります。
各手続きには手続きの期間が定められている場合がありますので、漏れのないように対応してください。
転職で無職期間がある場合の健康保険の手続き
転職に伴う無職期間がある場合、健康保険の手続きが欠かせません。
健康保険の選択肢は以下の通りです。
それぞれについて説明いたします。
任意継続制度を利用する
任意継続制度とは、健康保険の被保険者の資格を喪失したときに、一定の条件のもとに個人の希望により、個人で継続して加入できる制度です。
加入条件
資格喪失日の前日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
資格喪失日から20日以内に被保険者になるための届出をすること
保険料
退職時の標準報酬月額とお住まいの都道府県の保険料率を乗じた額
在職中の2倍(在職中は事業所と本人で保険料を半分ずつ負担しており、退職後は本人が全額負担する)
保険料は原則2年間変わらない
扶養家族の保険料は変わらない
必要書類
任意継続被保険者資格取得申出書
居住証明(住民票、免許証どちらかの写し)
退職日が確認できる書類(任意)次のいずれかを添付することで、保険証の早期発行が可能
- 退職証明書のコピー、雇用保険被保険者離職票のコピー、健康保険被保険者資格喪失届のコピー等、事業主または公的機関が作成した資格喪失の事実が確認できる書類
- 申出書の健康保険資格喪失証明欄(事業主記入用)への記載
(口座振替により保険料の納付を希望する場合)口座振替依頼書
(被扶養者となる方がいる場合)資格取得申出書の2ページ目の「被扶養者届」を記入。扶養の事実が確認できる(生計維持していることを確認できる)書類の添付が必要な場合あり。
書類提出先
住所地の全国健康保険協会各支部
提出期限
退職日の翌日から20日以内
国民健康保険に加入する
国民健康保険制度とは、他の医療保険制度(被用者保険、後期高齢者医療制度)に加入されていない全ての住民の方を対象とした医療保険制度です。
加入条件
以下のいずれにも該当しない方
- 他の医療保険(健康保険)に加入している方、その被扶養者
- 生活保護を受けている方
- 後期高齢者医療制度に加入している方
- 短期滞在在留外国人の方 など
保険料
前年の所得金額に、住所地の都道府県の市区町村によって決められた料率をかけた金額
必要書類
健康保険資格喪失年月日のわかる書類(健康保険資格喪失証明書など)
本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
(本人確認書類としてマイナンバーを持参しない場合、)マイナンバー(個人番号)の確認できる書類
保険料口座振替用のキャッシュカード(または通帳と金融機関の届出印)
書類提出先
住所地の市町村の国民健康保険の窓口
提出期限
退職後、14日以内
届け出が遅れると、保険料を遡って納める必要性あり
家族の扶養に入る
家族が加入している健康保険に入ることができる制度です。
加入条件
年間収入130万円未満
(配偶者や子どもの場合)年収が130万円未満かつ被保険者の収入の2分の1未満である
(社会保険によっては)被扶養者の同一世帯
保険料
なし
必要書類
健康保険被扶養者(異動)届
退職証明書または雇用保険被保険者離職票のコピー
健康保険証(扶養者分)
マイナンバー確認書類(扶養者分と被扶養者分)
続柄確認のための書類(被保険者の住民票など)
収入要件確認のための書類 など
書類提出先
扶養者の勤務先
提出期限
退職日の翌日から原則5日以内
任意継続制度と国民健康保険では、保険料は任意継続制度の方が安い場合が多いです。
支払う保険料からどれを選択するのか、決めてみるとよいでしょう。
転職で無職期間がある場合の年金の手続き
転職に伴う無職期間がある場合、年金の手続きも必要になります。
年金の選択肢は以下の通りです。
それぞれについて説明いたします。
国民年金に加入する
転職によって無職期間がある場合、国民年金への加入が必要となります。
加入条件
厚生年金保険に加入していない
支払額
月額16,980円 令和6年度(令和6年4月~令和7年3月まで)
必要書類
年金手帳または基礎年金番号通知書、またはマイナンバー確認書類
退職年月日のわかる書類(退職証明書、雇用保険被保険者離職票など)
本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
(扶養している配偶者がいる場合)配偶者の年金手帳または基礎年金番号通知書、またはマイナンバー確認書類
書類提出先
住所地の市区役所または町村役場
提出期限
退職日の翌日から14日以内
配偶者の扶養に入る
配偶者の扶養に入ることができる制度です。
加入条件
扶養する側の配偶者が会社員や公務員
年収が130万円未満
配偶者がおもに家計の生計を立てている
支払額
なし
必要書類
基礎年金番号通知書(年金手帳) など
書類提出先
配偶者の勤務先
提出期限
退職日の翌日から14日以内
いずれも提出期限がありますので、期限を意識して対応しましょう。
転職で無職期間がある場合の税金の手続き
新しい職場への転職に伴う無職期間では、税金に関する手続きも必要です。
意識しておく税金の手続きは以下の通りです。
それぞれについて説明いたします。
住民税の手続き
在職中は、住民税は会社から天引きされていましたが、退職後は天引きができないため手続きをする必要があります。
手続きは以下観点で変わります。
それぞれについて説明します。
退職前に再就職先が決まっている
退職前に再就職先が決まっている場合、転職先の会社で特別徴収を継続する方法をとることができます。
必要書類:特別徴収に係る給与所得者異動届出書
期限:入社後すぐ
「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」は前の会社で用意してもらう必要がありますので、早めに人事に用意するように伝えておきましょう。
1月1日~5月31日に退職
退職月の給与や退職金から、5月分までの住民税を一括で徴収されます。
退職月の給与と退職金の合計よりも、徴収される住民税のほうが多い場合には、普通徴収に切り替わるため、ご自身で納付する必要があります。
6月1日~12月31日に退職
徴収方法を選択することができます。
- 退職月の住民税は給与から天引きで会社が徴収し、翌月以降に納める予定だった住民税については、普通徴収に切り替わり、ご自身で納付
- 退職する月から翌年の5月分までの住民税を、退職月の給与や退職金から一括で徴収
一括徴収を選択する場合は、退職前に会社に伝えておきましょう。
所得税の手続き
退職し、年内に再就職した場合、退職した会社から受け取った源泉徴収票を再就職先の会社に提出することで、再就職先の会社に年末調整をしてもらうことが可能です。
ただし、12月時点で会社に所属していない場合は、年末調整ができないため、自分で確定申告をしなければならないため、注意が必要です。
税金については、自身が退職するタイミング、再就職先に入社するタイミングによって手続きが変わるので、その点を注意しましょう。
雇用保険の申請が可能な場合も!?
転職において、無職期間中が発生した場合、雇用保険の基本手当をもらえることができる場合があります。
お近くのハローワークに行くことで手続きができますので、確認してみてください。
必要書類
雇用保険被保険者離職票-1・2
雇用保険被保険者証
証明写真×2 ※たて3cm×よこ2.4cmの正面上半身のもの
本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード
求職申込書
本人確認書類
マイナンバー確認書類
雇用保険の申請には、条件があるため、一度確認してみてください。
まとめ
転職により無職期間が発生した場合、実施しておかなければならない手続きがあります。
手続きに期限が設けられているものがありますので、今一度確認して、手続きを実施してください。
無職期間に計画的に手続きを進めて、あなたが新しく輝かしいキャリアへの一歩が踏み出せますように。